マウスピースで歯列矯正治療をしている際の注意点を(飲み物編)・(食べ物編)・(日常生活編)の三部構成でお話します。今回は(飲み物編)です。私自身、マウスピースで歯列矯正治療をし、先日、保定期間にはいりました。長い歯列矯正治療を終え、気をつけたこと、実際に試してみたこと、日常生活で困ったことなど体験談としてお話していきます。
今現在、マウスピースで歯列矯正治療中の方や、今後マウスピースで歯列矯正治療をお考えの方にも参考になればと思います。マウスピースでの歯列矯正治療の、一番のメリットは食事の時に装置を外せることです。そして透明なので目立たないことですが、気を付けなければならない事がワイヤー治療より沢山あります。それが逆にデメリットとなる場合があります。ワイヤーでの歯列矯正でも、マウスピースでの歯列矯正でも、歯の並びを綺麗にするための歯列矯正治療は、長期間になります。
このコラムを読んでいただき、ご自身の生活スタイルもふまえてマウスピースでの歯列矯正治療をお考えください。なお、マウスピースのことをアライナーと呼びます。下記からは、アライナーと書いていきます。
アライナーとは
マウスピースの歯列矯正治療に使われる装置のマウスピースのことを、アライナーといいます。当院では、インビザライン社のアライナーを使用しています。とても透明でつけていても他の人から歯列矯正治療中だと気づかれたことがないぐらいとても自然です。ただ、透明がゆえに使用していると飲み物や食べた物での着色が、アライナーにつきやすく黄ばみがつくようになります。
アライナーの黄ばみについて
アライナーをお渡しする時に最初の説明で、アライナーを装着している時の飲み物は水のみでお願いしますと当院ではお伝えしています。飲み物によってアライナーが黄ばんでしまうことがあります。黄ばんでしまっても使用するのは全く問題ありません。アライナーは10日~14日(歯の動きによって交換頻度は変わります)ごとに交換します。14日ごとの交換ならさほど気にならない黄ばみだと思いますが、追加アライナー(治療方針見直し)の時は、次の新しいアライナーが届くまで今のアライナーをずっと使っていただくことになります。長く使えば使うほど黄ばみは濃くなります。私がアライナーを使って治療している時に、一度、試しで泡ハイターにつけたことがありますが、黄ばみはほとんど取れませんでした。あまり取れなかったうえに、流水でよく洗ってもなんだか気持ち悪さだけが残りました。なので、交換まで日数が開くときは黄ばみの原因になるような、飲み物や食べ物は出来るだけ控えていただいたほうがいいかと思います。
飲み物での黄ばみについて
私が実際に使用していて思ったのが、飲み物の中で一番黄ばみがついたのは、紅茶でした。ティーカップに紅茶をいれそのままにしていたら、カップに紅茶の茶渋がついて落とすときに洗剤でこすっても取れないなんて経験ありませんか?まさにそれと同じです。ちなみに、食べ物だとカレーが一番黄ばみます。紅茶のほかに、コーヒーや緑茶やワインもアライナーが黄ばむ原因になります。私は、お酒が飲めないのでワインでの着色は分かりませんでした。普段の生活スタイルで何をよく飲むのかで変わってくるかもしれませんが、黄ばむ原因になる、紅茶・コーヒー・緑茶・ワインは、アライナーをつけたまま飲むのは控えてください。
アライナーをつけている時の飲み物について
アライナーをつけている時は、歯は全部アライナーに覆われています。アライナーをつけたままでジュースやスポーツドリンクなどの砂糖の入っている飲み物を飲んでしまうと、歯が砂糖にパックされている状態になります。かなり虫歯になりやすいので、アライナーをつけたままでの砂糖を含む飲料水は控えてください。特に夏場の水分補給としてスポーツドリンクをこまめに飲んでいると、虫歯のリスクが高くなってしまいます。また、プロテインなども飲むときは必ずアライナーは外して飲んでください。
アライナーをつけている時に飲んでいいもの
アライナーをつけている時は、『水のみ』 です。
アライナーをつけたままの状態で飲んでも構わないのは、お水のみなので必ず守ってください。夏場の水分補給も、お水にしてください。
お茶や麦茶・コーヒーや紅茶もお砂糖が入っていなければ飲んでも大丈夫ですが、歯の着色とアライナーの黄ばみの原因になるので控えたほうがいいです。水のみを飲むのを習慣にしておけないと、ついうっかり飲んでしまうことがあります。私も最初は、アライナー生活が始まるまでずっとお茶を飲んでいたので、お水のみにするのがとても大変でした。でも、お水のみに慣れると
ちなみに、味がついているお水は糖分が入っているのでアライナーをつけている時はダメです。また、無糖であっても炭酸水は酸性で歯のエナメル質が溶けて虫歯の原因になるので、炭酸水もつけている時は飲めません。
アライナーをつけている時に飲んではいけないもの
甘い飲み物
- ・ジュース(果物・野菜ジュース含む)
- ・スポーツドリンク
- ・乳酸飲料
- ・甘みのある透明のお水
色が濃い飲み物
- ・紅茶
- ・コーヒー
- ・赤ワイン
温かい飲み物(アライナーが変形する可能性がある)
- ・ホットコーヒー(紅茶含む)
- ・スープ
- ・味噌汁
アライナーを外している時は大丈夫?
アライナーをつけている時だけ気を付けてお水のみにすれば、アライナーを外しているとき(食事中)は、ジュースでもお酒でも飲んでも構いません。ただし、食事後に歯磨きが出来ずにアライナーをつけるときは、お口をよくすすいでからつけるようにしましょう。歯列矯正治療中は、歯が動いているときに歯と歯の間に隙間ができてきたり、矯正の装置がはいっています。ワイヤーでの治療でも、マウスピースの治療であっても、食事後に歯磨きの習慣が身につけば虫歯のリスクは減ります。可能であれば、学校や職場でも食後は歯磨きをしてからアライナーをつけるようにしていただければ、虫歯予防にもなり、アライナーの着色も防ぎ、歯列矯正治療が結果的にスムーズに進みます。
アライナーは、原則一日22時間使用しなければなりません。アライナーを外していいのは、ご飯を食べる時と、歯磨きの時だけです。22時間つけている時は、お水だけで他の飲食は厳禁です。
慣れるまでは大変ですが、こんな時はどうしたらいいか?など少しでも疑問や質問などありましたら、いつでも当院にお問い合わせください。お待ちしております。