コラム

2024.07.05

口臭について

レモンをかじる女英

口臭について

人々の身体にはそれぞれにおいがあるように、お口の中にもにおいがあります。正常なにおいの場合、生理的口臭と言い、病気などが原因で他人に不快な気持ちを与えてしまうにおいとなる場合があります。それが、口臭です。

口臭にも様々な種類と原因があります。きちんと適したケアをしないと努力も水の泡となってしまいます。他にも、病気が原因である口臭もあります。

虫歯の原因

  • 口臭の原因

口臭の原因は主に4つ考えられます。

・お口の中の菌による口臭

お口の中で1番考えられる原因は、歯周病です。歯周病の特徴は、歯周ポケットです。歯周ポケットが深いと細菌が溜まりやすくなってしまいます。様々な細菌の中でも嫌気性菌(けんきせいきん)は代謝の過程で硫化水素やメルカプタンといったガスのようなものを産生します。それが口臭の元となっています。

・食べ物による口臭

ニンニクやニラなどのにおいの強い食品を食べたり、アルコールや喫煙を行うことにより、体臭と共に口臭もきつくなります。

これは、にんにくやアルコールが一度体内に取り込まれたにおいの元となる成分が胃の中で消化され、血液を介して全身に循環し、肺を経由して吐き出されます。そのため、お口をきれいにしても匂うことがあります。

・全身の病気による口臭

全身の病気による口臭は、糖尿病・尿毒症・肝硬変・肝臓癌・トリメチルアミン尿症などが原因となります。においは様々で、お口の中の細菌が原因で伴う口臭と似たようなにおいもあれば、嗅覚で簡単に識別することが可能なものもあります。これらの全身の病気の兆候として現れる口臭は限定的なものです。

・生理的な口臭

朝起きた時やお腹が空いた時に、お口は匂うことがあります。女性の場合だと、ホルモンバランスの不調によっても口臭を感じる時があります。

このように生理的な現象で起こる口臭は、日内変動が見られますが、においが無くなる(無臭になる)ことはありません。

気持ちよくおきた女性

  • 口臭の出やすいタイミング

口臭には出やすいタイミングがあります。口臭が出やすいタイミングを意識する事で口臭の原因と効果的な予防法を知ることが可能になります。

・起床時

寝起きにお口の中がネバネバしていることや、口臭が気になる方は多いと思います。原因はプラーク(歯垢)になりますが、起床時だけがきつくなるというわけではありません。プラークとは細菌のかたまりになります。細菌が1日のなかで1番増殖するのは睡眠時です。なぜなら、睡眠時は唾液の分泌が少なく、長時間お口を動かすことがないので細菌が歯や歯肉にくっつきやすくなり、更に増殖して口臭の原因となるガスのようなものが産生されます。

そのため朝の歯磨きも口臭対策には重要になりますが、夜寝る前の歯磨きを行う際に細菌のエサになる食べカスやプラークをしっかり落とすよう心がけましょう。

・空腹時

空腹時になると、膵臓(すいぞう)の膵液(すいえき)が胃で分解されることによりガスが発生します。このことを空腹時口臭といいます。生理的なものになるので、あまり気にすることはありません。

・便秘時

便秘がひどくなると、口臭に影響が出てくることがあります。

宿便が溜まり、細菌が宿便を分解することによって出るガスが溜まり過ぎてしまうと口まで上がってきて口臭になります。いわゆる、おならのガスと同様なものです。これを防ぐためには、溜まったガスや宿便を体外に出すしかありません。便秘が長期間続くようでしたら内科医に相談してみるのも良いでしょう。

・緊張時

人前で話す時など、緊張をする場面において人は唾液が出にくくなります。そのため、緊張する場面で喉が乾いたと感じた経験をした事がある方が多くいらっしゃるのではないかと思います。唾液には、お口の中の菌が増殖するのを抑える働きや細菌から産生さえるガスを洗い流す作用があります。そのため、唾液の分泌が減ると口臭が出やすくなります。

かじられたりんごと、口腔ケアグッズ

  • 口臭の対策

口臭はにおいの原因を把握し、それに適した対策をとることが重要になります。

もし、においの種類やにおいの気になる時間が自分で分かりづらい時は、身近な人に尋ねてみることや、かかりつけの歯医者さんに相談してみるのも良いでしょう。口臭の多くの原因は、お口の中の細菌や食べ物が原因になります。病気による口臭の場合は、各病気に応じた治療や対策が必要になりますので、各専門家に相談してみましょう。

・お口の中の菌による口臭の対策

① お口の中を清潔にする
食後は毎回、歯磨きをしましょう。歯磨きの際に、磨き残しがあるとお口の中で細菌が増殖し、口臭を悪化させてしまう原因となります。また、歯を磨いた後に舌も磨くことで口臭の対策につながります。

舌には、口臭の原因となる舌苔(ぜったい)というものが溜まります。舌苔とは、食べかす・お口の中の皮膚細胞が剝がれたもの・細菌・唾液の成分が舌の凸凹に溜まることで作られます。舌苔が舌についているか見分ける方法としては、舌が淡い赤色ではなく白や黄色っぽくなるのが特徴になります。舌苔はたんぱく質で出来ているのでそれをエサとする細菌が集まってきます。その細菌が、たんぱく質を分解する際に発揮性硫黄化合物というガスのような物質を生成します。これが口臭の原因となります。

舌苔が付く原因には、口呼吸や飲酒・脂っこい食べ物や辛い食べ物を摂取する頻度が多いといった生活習慣が挙げられます。舌苔をつかないようにするためには、生活習慣を見直す必要があります。

口臭の対策として、舌苔を厚くしないために舌ケアがポイントになります。舌の奥から手前へ軽い力で舌苔を落とすようにしましょう。力を入れ過ぎると、舌の粘膜や味を感知するための味蕾(みらい)を傷つけてしまう可能性があります。また、舌を磨くのは1日1回をおすすめします。舌苔は少しあるのが正常なので取りすぎに注意しましょう。口臭を防ぐためにも舌ケアは、習慣にすると良いでしょう。

② 唾液の分泌をふやす
唾液とは、つばのことを指します。唾液には、細菌の繁殖を防ぐはたらきがあります。加齢などの理由で唾液の分泌が減少してしまうと、細菌が増えやすくなってしまいます。唾液の分泌を促すためには、唾液腺マッサージを行ったり、水分を摂取するなどを行いましょう。

・食べ物による口臭の対策

口臭の原因になってしまう食べ物もありますが、口臭の対策になる食べ物もあります。身近なスーパーコンビニで買えるものもあります。りんごーお口の中の細菌が産生するガスを抑制するといわれており、よく噛むことで口臭を軽減する唾液の分泌も促進されます。

繊維質の野菜ーごぼうやレタスのように、繊維質の多い野菜はたくさん噛むことで唾液が分泌されます。

すっぱい食べ物ー梅干しやレモンといったすっぱい食べ物を食べると、唾液がたくさん出ます。また、食べなくても画像を見たり、思い出すことでも唾液が出てきます。口臭が気になったら、レモンなどのすっぱい食べ物を思い出したり、画像を見てみるのも良いでしょう。

パイナップル・キウイー口臭の原因でもある舌苔はたんぱく質の汚れになります。パイナップルやキウイはたんぱく質を分解する酵素を豊富に含むので、食べると口臭を抑えられる可能性があります。ですが、酵素は熱に弱いので加熱処理されたものは効果が期待できません。なので、缶詰のタイプはおすすめしません。

牛乳ーにんにくを食べた後、牛乳を飲むことは口臭を抑えるために効果的です。にんにくに含まれるアリルメルカプタンという成分がお口の中に残ることで口臭の原因となります。これを、牛乳を飲むことで乳脂肪分が洗い流してくれます。