こんにちは。神戸市垂水区にある矯正歯科専門医院のふじよし矯正歯科クリニックです。いつも当院のコラムをご覧いただきありがとうございます。今回は、「矯正治療中に引っ越しをすることになった場合、どうすればいいのか」ということについてお話していこうと思います。
引っ越し先で今の矯正治療も続きを行ってもらえるのかどうかという事や費用、転医の流れなどについて参考にしていただければと思います。
治療の引継ぎについて
歯列矯正治療は基本的に年単位でかかる期間の長い治療です。もし、矯正治療を行っている期間中に進学や転勤などの都合で、遠くに引っ越しをすることになった患者さまは当院でも実際におられます。そのような場合、歯列矯正治療には転医という方法があります。きちんとした転医の手続きを行うことにより、引っ越し先でもスムースに歯列矯正治療を続けることが可能です。
転医を行うには、今までの治療の経過や初診時に来院された時の歯型の模型の複製したものなどの資料が必要になります。これらの資料を揃えて転医を行います。転医資料を準備するためには約一ヶ月の期間が必要になります。引っ越しを行うことが分かり次第、早めに通院中の矯正歯科の先生に相談しましょう。
転医先の探し方について
転医先の探し方は、歯科医院によって異なります。当院では患者さん自身で探していただいております。
流れとしましては、転医資料を引っ越し先で通院が可能な矯正歯科医院へ持って行っていただくことになります。なるべく、今まで行ってきた矯正治療と同じような進め方だと患者さんの負担が軽減されるのではないかと思います。転医先を探すときは、治療方針や治療内容が同じような歯科医院なのか調べてみるのも良いかもしれません。
しかし、引っ越し先の矯正歯科医院の治療方針や治療内容によっては、そのまま矯正治療が引き継ぐことが可能なのかは行ってみなければ分かりません。使用している装置が、引っ越し先の矯正歯科医院では取扱いのないものだと、引き継ぐことが出来ず全て作り直し、付け直しになる可能性もあります。事前にホームページなどを見て情報収集を行ってみたり、問い合わせて確認してみるのも良いかと思います。
転医による費用について
矯正治療中に転医する場合の費用の返金や手続きなどは歯科医院によって異なります。当院では、矯正治療中に転医を行うことになった場合、既にお支払い済みの方は行われた治療の清算を行い、残りを返金させていただきます。
また、治療の進行具合に対して未払いの治療費に関しましてはご入金をお願いいたします。
転医資料としてご入金の状況は転医先にも伝わるようにいたしますが、転医先でご返金分のみで矯正治療を引き継ぐということはあまりありません。詳しくは転医先の矯正歯科医院で確認しましょう。
矯正治療は多くの方が自費診療となります。そのため、歯科医院によって費用が異なります。また、転医資料を持って行った場合でも、新たに転医先で資料をとるために検査費が必要となる場合があります。他にも、新たに転医先で矯正装置の作り変えを行う必要がある場合も追加費用がかかる可能性があります。
矯正治療中の転医の流れについて
矯正治療中に引っ越しが決まったときは、なるべく早めに通院中の矯正歯科へ相談しましょう。転医資料を準備するには約1ヶ月の期間が必要です。矯正歯科医院によりますが、転医資料を作成するには費用が掛かる場合がございますので、確認しておくといいと思います。紹介状と転医資料を転医先となる歯科医院に持っていくことで、転医先の歯科医師にも分かりやすく、治療の再開もスムーズに行えるでしょう。
当院では、引っ越し先の土地に知り合いの歯科医がいる場合のみご紹介は可能ですが、基本は患者様ご自身で転医先を探していただくことになります。
転勤や進学などで引っ越しの予定が出来た場合は、歯科医師やスタッフにお気軽にご相談ください。
もし、矯正治療が始まる前に引っ越す予定が出来たときは事前に伝えて、矯正治療を開始するタイミングなどを歯科医師に確認しておくと良いでしょう。
当院では、歯ならびのご相談に来られた際に、引っ越しをすることが分かっている患者様には、引っ越し先で矯正治療を開始することをおすすめしています。なぜなら、先程もご説明させていただいた通り、転医資料や紹介状の作成に費用が発生するということと、転医先でも治療費や歯科医院によっては検査費用が発生することで、患者様が二重に費用をご負担しなければならないからです。
転医をおすすめしない場合について
矯正治療の進み具合によっては、転医をおすすめしない場合もあります。それは、転医することで治療期間が予定より長くなってしまう場合やもうすぐ終わりそうな治療段階で転医することで費用が余分にかかってしまう場合です。
矯正治療が残り短い期間で終わりそうな時や保定期間に入り通院間隔が長くなり、歯科医院に通う回数が少なくなってきた時は、引っ越し先の歯科医院に転医するのではなく、通院中の歯科医院に通い続けるというのも一つの手段です。転医するにあたっての手間や費用のことを考えると通い続けるという選択をする患者様も珍しくはありません。
転医先の歯科医院への受診について
患者さまご自身で転医先を探す場合、通院ができそうな歯科医院が見つかり次第まずはその歯科医院に直接電話をしてみると良いでしょう。その際には、転医希望だという趣旨を必ず伝えてください。
実際に行ってみないと歯科医院の雰囲気やスタッフなどわからないこともありますので、複数の歯科医院を見て回るのも良いでしょう。この時、持参した転医資料は必ず返却してもらうようにしてください。転医資料は転医先の歯科医院に提出することになります。