マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での治療後に装着するリテーナーとは?装着期間や注意点!
- こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での治療後に装着するリテーナーとは、動かした歯を固定するための装置のことです。矯正治療で動かした歯は、もとの位置に戻ろうとする「後戻り」を起こします。後戻りを防ぐために、リテーナーの装着が必要なのです。
今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療後に装着するリテーナーについて、装着期間や注意点を解説します。
リテーナーとは?
リテーナーとは、歯列矯正の治療後に装着するものです。新たに矯正された歯の位置を固定し、もとの位置に戻ることを防ぐ目的で使用されます。
矯正直後の歯は十分に安定していないため、何もしなければ歯は自然ともとの位置に戻ろうとする傾向があります。歯がもとの位置に戻ろうとする現象を「後戻り」とよび、後戻りを防ぐためにリテーナーが必要となるのです。
リテーナーは、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正装置による矯正など、どの矯正治療のあとにも使用されます。矯正治療は歯を理想的な位置に動かす手段であり、リテーナーは矯正治療の成果を維持する役割を果たすのです。
特に、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での治療のあとには、専用のリテーナーである可撤式保定装置(ビべラ・リテーナー※)がよく使用されます。透明で取り外し可能な装置で、歯にぴったりとフィットします。日々の生活に大きな影響を与えることなく、矯正した歯並びを維持できるでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での治療後に後戻りが起こる原因
マウスピース型矯正装置による矯正後に後戻りが起こる原因は、以下のとおりです。
リテーナーを適切に使用しなかった
矯正治療後の歯の後戻りは、主にリテーナーの装着不足から生じます。治療が完了したあとも、リテーナーを適切に使用することが重要です。リテーナーを装着しないと、歯は徐々にもとの位置に戻り始めます。
リテーナーにはいくつかの種類があり、使用方法に注意が必要です。フィックスタイプのリテーナーは歯列に固定されるので、着脱の管理は不要です。ただし清掃しづらく、歯石が付着しやすいです。
ワイヤープレートタイプやマウスピースタイプのリテーナーは取り外し可能な装置なので、決められた装着時間を厳守しなければなりません。
リテーナーを装着する保定期間の長さも非常に重要です。一般に歯の位置を固定するための保定期間は、矯正治療に要した期間と同程度、つまり数か月から数年程度必要と言われていますが、医学的根拠はありません。
歯並びは加齢とともに変化するため、矯正治療の成果を維持するには、リテーナーの正しい使用と長期的な継続が不可欠です。リテーナーの装着を怠った場合は、ほぼ確実に歯が後戻りします。
口腔習癖がある
口呼吸、舌突出癖(舌を前に出す癖)、爪や唇を噛むなどの口腔習癖は、歯並びに悪影響を及ぼす可能性があります。口腔習癖があると歯並びが悪くなるだけでなく、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)などで矯正したあとの後戻りが起きやすくなります。
口腔習癖を改善することは、矯正治療中と治療後の両方において重要です。矯正治療の効果を最大限に引き出し、そのあとも美しい歯並びを維持するために、口腔習癖を改善しましょう。
歯周病が進行している
歯周病が進行すると、歯茎や顎の骨が徐々に溶けます。歯を支える組織が破壊されて歯が動きやすくなり、噛み合わせも不安定になる可能性があります。
特に、矯正後に歯周病になって進行した場合、矯正した歯並びが保たれにくくなるでしょう。歯並びがもとの位置に戻るだけでなく、より悪い方向へ変化することもあります。
矯正治療の結果を維持するには、歯周病の予防と管理が非常に重要です。歯磨きやフロスなどの日常的な口腔ケアを怠らず、定期的に歯科医院での定期検診を受けましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が苦手とする症例だった
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は快適に使用できるマウスピース型矯正装置であり、多くの状況で非常に効果的です。
しかし、すべての歯並びの問題に対応できるわけではありません。例えば、骨格的な異常が原因のケースや抜歯を伴う大きな歯の移動が必要なケースなどは、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正が難しいです。
一部の歯科医院では、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)以外の矯正方法に対応していないため、適切ではないケースにもマウスピース型矯正装置(インビザライン※)を使用して無理に治療を進めることがあります。無理な矯正治療は、後戻りなどのトラブルを引き起こす可能性を高めます。
自分に合った矯正方法を選択できるように、矯正方法の種類が豊富な歯科医院を選ぶとよいでしょう。
リテーナーの種類
リテーナーの種類は、主に3つに分けられます。固定式のタイプや患者さま自身で取り外しができるタイプがあります。それぞれのメリットやデメリットをふまえながら詳しく確認しましょう。
フィックスタイプ
フィックスタイプのリテーナーは、歯の裏側に直接ワイヤーを取り付ける保定装置です。主に、下の前歯6本(犬歯から犬歯)に使用されます。
フィックスタイプのリテーナーの大きなメリットは、装置が歯の内側にあるため目立たないことです。細いワイヤーを固定するだけなので不快感が少なく、長時間装着できることもメリットでしょう。
一方、患者さま自身で取り外すことができないため、ブラッシングがしにくくなることがデメリットです。定期的に歯科医院でプロによるクリーニングを受ける必要があるでしょう。
また、歯の裏側に取り付けられるので、自分で装置の状態を確認することが難しいです。そのため、歯から外れても気づかないことがあります。気づいたときには後戻りが進んでいた、ということも珍しくありません。何か違和感がある場合は、すぐに歯科医院に相談しましょう。
マウスピースタイプ
マウスピースタイプのリテーナーは、マウスピース型矯正装置に似ている装置です。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)専用のリテーナーは、ビベラ・リテーナーとよばれます。
マウスピースタイプのリテーナーの特徴は、歯を全体的に覆って歯の動きを防ぐことでしょう。特に前歯に凹凸がある場合は、歯全体を安定させる効果が期待できます。
また、ワイヤーが使用されていないため目立たず、違和感も少なく、快適性が非常に高いリテーナーです。
しかし、噛み合わせの部分も覆うため、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方の使用には適していません。マウスピースにすぐに穴があく可能性があります。
ワイヤープレートタイプ
ワイヤープレートタイプのリテーナーは、矯正後の歯並びを保つために最も一般的に使用される装置の一つです。歯の表側にワイヤーを配置し、歯列が外側に飛び出すことを防ぎます。歯の裏側は透明なプラスチック素材で覆い、歯列が内側に入ることを防ぎます。
ワイヤープレートタイプのリテーナーの特徴的なメリットは、噛み合わせる部分を覆わないため、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方でも破損しにくいことです。壊れた場合の修理が容易なこともメリットでしょう。
ただし、歯の表側にワイヤーを取り付けるため、装着時には目立ちます。ワイヤーのかわりに特殊な透明な素材でできたリテーナーもあります。矯正治療をうけた歯科医院で相談してみるとよいでしょう。
リテーナーの1日の装着時間
リテーナーの装着時間は、一般的に1日20時間以上とされています。取り外し不能な固定式リテーナーの場合、装着時間を気にする必要はありません。
取り外し可能なリテーナーの場合、患者さま自身で管理する必要があります。矯正治療が終わった直後は、歯が最も後戻りしやすい期間であるため特に注意が必要です。
歯並びの安定状況を確認しながら、リテーナーの装着時間を徐々に減らしていくのが一般的です。最終的には、就寝時のみリテーナーを装着するようにします。
ただし、理想的な歯並びを維持するには、リテーナーの装着時間が長ければ長いほどよいとされています。そのため、患者さま自身が日常生活のなかで適切な時間を見つけて、なるべく長くリテーナーを装着することが大切です。
リテーナーの装着期間
リテーナーの装着期間、すなわち保定期間は最低でも約2年とされています。
しかし、患者さまの状態や矯正治療のケースによって大きく変動します。歯並びが整ってきたからといって、自己判断でリテーナーを外すのはやめてください。自己判断でリテーナーを外すと、後戻りを引き起こす可能性があります。
矯正治療が完了しても、リテーナーを続けて使用しましょう。リテーナーの使用期間が長いほど、美しい歯並びを維持することができます。
後戻りを起こさないために気を付けること
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)をはじめとする矯正治療は、高額な治療費用が必要です。費用や時間を無駄にしないためにも、後戻りを起こさないように注意しましょう。
リテーナーの使用方法を守る
リテーナーの使用時は、歯科医師の指示を常に忠実に守ることが非常に重要です。保定装置の使用ルールは食事と歯磨き以外の時間は常に装着することで、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)と同様です。
歯並びが安定してきたら就寝時のみの装着になることもありますが、自分で判断しないでください。歯科医師の判断に従って装着時間を調節しましょう。
保定期間は、歯科医師によって判断が異なります。2年程度で終了すると指導する歯科医師もいれば、一生涯装着を続けるように指導する歯科医師もいるでしょう。
大切なのは、リテーナーは歯並びが後戻りしないために非常に重要な役割を果たしているという事実を忘れないことです。
口腔習癖を改善する
後戻りの原因になる口腔習癖がある場合は、改善しましょう。可能であれば、マウスピース型矯正装置による矯正を始める前に習慣を改めるのが理想的です。
口腔習癖をなくすことで、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)はよりスムーズに進行します。もし矯正開始前の改善が難しい場合、矯正治療中や矯正後でも改善に努めることが大切です。
口腔ケアを怠らない
歯周病が進行すると後戻りが起きる可能性が高まることを上述しました。歯周病を予防するには、日常的な歯磨きと定期的な歯科医院でのクリーニングが不可欠です。
毎日丁寧に歯磨きを行っていても、完全に落とすことのできない汚れが存在します。歯磨きでは落とせない汚れは、歯科医院でのクリーニングで除去しなければなりません。
歯周病の検査と歯のクリーニングは、後戻りを防ぐだけでなく、健康な歯を維持するためにも非常に重要です。最低でも半年に一度は歯科検診やクリーニングを受けましょう。
まとめ
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療後に装着するリテーナーとは、整えた歯並びを固定させるための装置です。特に、矯正治療の終了直後は、歯がもとの位置に戻ろうとする後戻りが起きやすい状況です。そのため、矯正治療後およそ2年間は、リテーナーを装着する必要があります。
リテーナーの装着時間は1日22時間以上が基本ですが、歯列が安定してきたら装着時間は短くなります。矯正治療が終わったからといって、リテーナーの装着を怠ると後戻りが起きるでしょう。再び矯正治療が必要になる可能性もあるので、リテーナーの装着は適切に行ってください。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正中の食事で気を付けること!食後のケア方法も解説
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置は、歯列矯正に使用される装置のひとつです。透明の薄いマウスピースを装着して歯並びを整えていきます。当院ではマウスピース型矯正装置(インビザライン※)を採用しています。
目立ちにくく審美性を保ちながら歯並びを整えることができるため、選択する方が増えている治療法ですが、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の取り扱いで注意することのひとつに、食事があります。
今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中の食事で気をつけることや食後のケア方法をご紹介します。
矯正中にマウスピースをつけたまま食事できる?
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中は、マウスピースを装着したまま食事はしないようにしましょう。
ただし、水や炭酸水などは装着したままとっても問題ありません。マウスピースを装着したまま食事をすると以下の3つのリスクが高まるため、必ずマウスピースを外してから食事をしましょう。
虫歯や歯周病になるリスクが高くなる
マウスピースを装着したまま食事をすると、マウスピースと歯のすき間から食べカスが入り込んでしまいます。通常、歯の表面に汚れが付着した場合、唾液の殺菌作用や再石灰化作用によって虫歯や歯周病を防ぎます。
しかし、マウスピースを装着していると歯の表面に唾液が行きわたりにくく、細菌の活動が優位に働いてしまうリスクが高いでしょう。
矯正中に虫歯になり、虫歯の治療をするとマウスピースが合わなくなることがあります。虫歯や歯周病の原因は歯の表面に残る汚れです。食事の際はマウスピースを外して、汚れが残らないようにすることが大切です。
破損の原因となる
噛む力は男性で60kg、女性で40kgといわれています。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)のマウスピースは0.5mmほどの厚みしかないため、マウスピースをつけたまま食事をすると、噛む力に負けて割れたり欠けて破損したりする原因となるでしょう。破損したマウスピースを修復することは難しいため、治療計画に支障がでる可能性があります。
マウスピースが着色する
マウスピースを装着したまま食事すると、飲食物の色がマウスピースについてしまう原因となります。特に、カレーやコーヒーなど歯に色がつきやすいものは、マウスピースにも色がつきやすいです。
透明で目立たないマウスピースが着色してしまうと審美性が大きく損なわれてしまうため、食事の際はマウスピースを外しましょう。
マウスピース装着中に飲食可能なもの
マウスピースを取り外していれば飲食の制限はほぼありません。ワイヤー矯正と異なり、矯正前と変わらない食生活ができる点はマウスピース型矯正装置(インビザライン※)の大きなメリットといえるでしょう。
ただし、矯正開始直後や新しいマウスピースに変えて痛みや違和感などの症状があるときは、負担のかからない、やわらかい食事に変更するなどの工夫が必要となります。
矯正中に飲食をひかえたほうがよいもの
マウスピース型矯正装置による矯正中は、食事の制限はありませんが、硬い食べ物や粘着性のある食べ物はひかえましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、歯に弱い力を加えて歯並びを整える治療法です。歯と骨の間には歯根膜(しこんまく)とよばれる組織があります。矯正治療中は歯根膜が敏感な状態となるため、刺激に対して敏感です。
硬い食べ物や粘着性のある食べ物は歯根膜に強い刺激が伝わるため、痛みなどのトラブルにつながる可能性があります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正中の食事に関する注意点
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中は、食事の際に注意すべき点があります。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)における食事の注意点は、以下のとおりです。
・飲食する際はマウスピースを外す
・自己管理をしっかり行う
・飲食後のマウスピースのつけ忘れに注意する
以下、それぞれ解説します。
飲食の際はマウスピースを外す
飲食の際はマウスピースを必ず外しましょう。マウスピースを装着したままの飲食は、虫歯や歯周病のリスクが高まり、破損や着色の原因となります。間食はもちろん、飴やガム、水分補給をする際も外す必要があります。
矯正治療の効果を十分に得るためには、1日20~22時間以上マウスピースを装着するように指示されるケースが多いでしょう。間食が増えると装着時間も短くなってしまうため、間食はなるべくひかえましょう。
自己管理をしっかり行う
飲食の際に外したマウスピースは、専用のケースに入れて保管しましょう。外食の際に、ペーパーナプキンに包んだまま誤って処分してしまった方は少なくありません。
万が一、マウスピースを紛失してしまうと治療計画どおりに歯が移動せず、治療期間が長くなったり追加費用がかかったりするリスクがあります。飲食の際は、マウスピースを専用のケースに入れる習慣をつけましょう。
飲食後のマウスピースのつけ忘れに注意する
マウスピースは、飲食の際にかならず外す必要があります。飲食の際、外したまま長期間マウスピースを装着せずに過ごすこともあるでしょう。
しかし、マウスピースを外している時間が長くなると、1日に必要な装着時間に満たなくなる場合があります。
マウスピースは、十分な効果を得るために必要な装着時間が決められています。きれいな歯並びを手に入れるためには、歯科医師の指示をしっかり守ることが大切です。飲食後は歯磨きをして、すみやかにマウスピースを装着しましょう。
食後のケア方法
矯正中は、食後にどのようなケアを行えばよいのか疑問を感じている方も少なくないでしょう。食後のケアは、マウスピースと口内のケアが必要不可欠です。以下、マウスピースと口内のケア方法をご紹介します。
マウスピースのケア方法
飲食後は外したマウスピースをすみやかに装着しなくてはいけません。
ただし、取り外したマウスピースは、流水下で洗ってから装着しましょう。外した際に洗わずそのまま装着すると、唾液や汚れが石灰化し、マウスピースが汚れたり、においが発生したりするリスクがあります。
清潔な状態を保つためにも、外した際に洗浄する習慣をつけることが大切です。マウスピースを洗う際は、水か人肌程度のぬるま湯で洗いましょう。お湯を使用するとマウスピースが変形するリスクがあります。
また、こすり洗いをするときは、指か歯ブラシを使用して優しく洗い流します。研磨剤の入った歯磨き粉を使用すると、マウスピースに細かな傷がつくリスクが高いです。
傷ついたマウスピースは、雑菌が繁殖しやすい環境となってしまうため、歯磨き粉は使用せずに洗浄しましょう。
口内のケア方法
飲食後マウスピースを装着する際は、なるべく歯磨きを行ってから装着しましょう。
飲食後は、歯の表面に食べカスなどの汚れが多く残っている状態です。不衛生な環境のままマウスピースを装着すると、唾液が行きわたらない分、細菌の活動が優位に働き、虫歯や歯周病のリスクが高くなるでしょう。
虫歯や歯周病は、歯の表面の歯垢(プラーク)が原因で罹患します。歯ブラシはもちろん、デンタルフロスなどの清掃用具も併用して、磨き残しのない清潔な口内を保つことがポイントといえるでしょう。
矯正中に虫歯の治療を行うと、マウスピースが入らなくなるトラブルが起こるリスクが高まります。治療期間や費用の負担が増えてしまうため、しっかり口内をケアすることが大切です。
まとめ
マウスピース矯正装置(インビザライン※)による矯正中は、飲食する際はマウスピースを外しましょう。マウスピースを装着したままの飲食は、虫歯や歯周病のリスクが高くなり、マウスピースの破損や着色の原因となります。
治療計画の遅れやマウスピースの再作製などの影響がでる可能性があるため、飲食の際はマウスピースを外して保管する習慣をつけましょう。
飲食後はすみやかにマウスピースを装着する必要がありますが、口内とマウスピースをしっかりケアしてから装着することが大切です。歯ブラシやフロスなどを使用して口内の汚れをしっかり落とし、マウスピースは流水下で洗浄して清潔な状態にしてから装着します。
はじめは面倒に感じますが、時間の経過とともに慣れてくるため、ふだんどおり食事を楽しむことができるでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療期間と治療のプロセスを詳しく解説
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療について、どのようなイメージをお持ちでしょうか。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は治療期間が長いと思っている方も少なくありません。
長い場合は治療期間が3年以上かかる方もいますが、マウスピースを装着する期間は2~3年ほどの方が多いです。
今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療期間や治療のプロセスなどを解説します。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)とは?
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)とは、近年人気が高まっているマウスピース矯正ブランドのひとつです。シェア率は世界でもトップクラスで、豊富な実績を誇ります。透明なマウスピースを使用するため、目立ちにくいことがメリットでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、食事や歯磨きの時間を除いた1日20~22時間以上透明なマウスピースを装着します。1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換することで、歯をゆっくり動かし歯列を矯正するのです。
永久歯に生え変わっていれば、こどもから大人まで幅広い年齢層の方が治療できます。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療期間はどれくらい?
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療期間は個人差が大きく、一律ではありません。
部分矯正では半年〜1年程度、全顎矯正では2~3年程度といわれています。重度の症例は3年以上になることも少なくありません。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正期間が終わったあとは、保定期間とよばれる歯を安定させる期間が必要です。
治療期間を短くしたいと考える方もいるでしょう。
しかし、治療期間の極端な短縮は難しいといえます。無理に治療期間を縮めようとすると、治療後の後戻りや疼痛の原因になります。
少しでも治療期間を短くしたい方は、毎日の装着時間をできるだけ長くする、定期メンテナンスでしっかり歯科医師の助言・診察を受けることなどを徹底しましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療のプロセス
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の歯列矯正は、初診後にすぐに行えるわけではありません。治療のプロセスを確認しましょう。
診察前のカウンセリング
まずは、診察前にカウンセリングを行います。歯列の悩みや希望の矯正方法、費用、仕事内容(定期的な通院が可能か、マウスピースの装着ができるか)などを聴取されます。
希望の仕上がりにならなかったなどのトラブルを避けるために、ご自身の希望をしっかりと伝えましょう。
精密検査
カウンセリングが終わったら、診察と精密検査を行います。歯科医師が口腔内の様子を視診します。レントゲンやCT、スキャナーを使用して、歯や歯茎の健康状態や歯の根幹などもしっかり確認します。
シミュレーション(3D)
精密検査の情報をもとに、どのような歯列になるかシミュレーションします。3D技術で360度さまざまな角度から歯列の完成系を確認します。
修正したい部分があれば伝えて、違うパターンを作成してもらいましょう。
マウスピースの作成・装着開始
シミュレーションして歯型を取ったあと、約6週間でマウスピース型矯正装置(インビザライン※)のマウスピースが完成します。マウスピースの枚数は人によって異なりますが、治療に必要なマウスピースが一括で作成されます。
マウスピース装着に関する指導を受けたら、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正治療が始まるのです。
定期検診
トラブルが発生していなければ、1~2か月に1回、定期検診を受けます。定期検診では、虫歯や歯周病の有無などを調べます。歯が計画どおりに動いているか確認し、必要であればマウスピースの微調整を行うでしょう。
歯やマウスピースの状態を確認して、アタッチメントを装着することもあります。アタッチメントは、矯正治療が終了するまで装着するのが一般的です。
リテーナーの装着
矯正治療が終了したら、歯が後戻りしないようにリテーナーを装着します。
後戻りとは、移動させた歯がもとの位置に戻ろうとすることです。リテーナーを装着して歯の後戻りを防ぎ、矯正後の位置に歯を定着させる期間を「保定期間」とよびます。最初の1年は3~4回、2年目以降は1年に1回の頻度で通院します。歯ならびは加齢とともに変化するので、1年に1回の定期チェックが望ましいでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療が長引く原因
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が長引く原因にはどのようなものがあるのでしょうか。防ぐことが難しい理由もありますが、ご自身で注意すれば予防できる理由もあります。
歯列の乱れが重度である
治療に使用するマウスピースの枚数は40~60枚と、個人差が非常に大きいです。1枚のマウスピースで2週間の差が生じると考えると、1年程の差があることがわかります。
歯列の乱れが重度な場合、マウスピースの枚数が多くなるでしょう。マウスピースの枚数が多いほど、治療期間が長くなるのです。
マウスピースの装着時間が短い
マウスピースの装着時間が短いと、計画どおりに歯が動きません。新しいマウスピースに交換した際に強い痛みを感じることがあります。
新しいマウスピースを装着できない場合や痛みが強い場合は、1つ前のマウスピースの装着期間を延ばすことが多いです。マウスピースの交換時期が遅れるので、治療期間が延びるでしょう。
口腔内の環境がよくない
マウスピースの装着時間を確保しようと、歯磨きを怠ってはいけません。
虫歯や歯周病になると、歯列矯正を中断して治療を優先させることがあります。治療中は矯正治療を進められない場合が多いため、治療期間が延びることに繋がります。
虫歯の治療で歯を削ると、作成したマウスピースを装着できなくなることもあるでしょう。マウスピースの再製作には2週間程かかるので、治療期間が延びるでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療を長引かせないために気を付けること
歯列の乱れが重度であるなど、生まれもった要因から治療期間が長引く場合は、大幅な短縮は難しいでしょう。
しかし、装着時間や自己管理が不足して治療期間が長引くことは防げます。治療を長引かせないために気を付けることは、以下のとおりです。
装着時間を守る
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では、食事・歯磨きを除く20~22時間以上マウスピースを装着することが推奨されています。1時間のつけ忘れでも、積み重なれば歯の移動が大幅に遅れる可能性があります。
マウスピースの装着時間は必ず守りましょう。
マウスピースを適切に装着する
マウスピースはしっかりと装着しましょう。マウスピースをうまく装着できていないと、矯正力がかからない可能性があります。
チューイーなどの装着補助具を使用するなど、工夫して正しく装着してください。
マウスピースを紛失しない
マウスピースを紛失すると、作り直しに時間と費用が必要です。
何枚か先のマウスピースであっても、気づいた段階ですみやかに治療中の医療機関に相談してください。
口腔ケアを丁寧に行う
治療中に虫歯や歯周病が発生すると、治療を優先する場合が多いです。
矯正治療を中断することになるため、口腔ケアはしっかり行いましょう。特に、歯列が複雑に入り組んでいる部分は、デンタルフロスや洗口液、タフトブラシなどを活用して清潔にしてください。
定期検診を受ける
治療が順調に進んでいると、受診を面倒に感じるかもしれません。治療を長引かせないためには、トラブルを早期に発見し、早期に対応することが重要です。
自覚症状がなくてもトラブルが起きている可能性はあるので、必ず定期検診を受けて、歯科医師に口内を確認してもらいましょう。
まとめ
今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療期間やプロセスについて解説しました。
矯正治療は、どのような方法で行っても年単位での治療期間が必要です。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療期間を長引かせないために、注意すべきことはいくつかあります。今回ご紹介した内容に注意して、矯正治療のすべてのプロセスを乗り越えましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で出っ歯を治療するメリットや費用、治療法を解説!
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で出っ歯を治療することは可能ですが、ワイヤー矯正との併用や外科手術が必要な場合があります。
今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で出っ歯を治療するメリットや費用、治療法について解説します。
出っ歯とは
出っ歯とは、主に上の歯または上顎全体が前に突き出ている状態です。専門的には、上顎前突とよびます。一般的には、上の前歯が前に出ている状態を思い浮かべる方が多いと思いますが、必ずしも上の歯が大きく前に出ているわけではありません。
実際には、下顎が通常より小さく発育している場合に、上の前歯が前に突き出て見えるという状況もあります。下顎が小さいため、相対的に上の前歯が前に出て見えるというケースも、出っ歯として認識されるのです。
出っ歯になる原因
出っ歯になる原因は、遺伝などの先天的なものと後天的なものがあります。
遺伝
出っ歯は遺伝によっても引き起こされることがあります。
一つは、遺伝による前歯の位置の異常です。遺伝的な要素によって上の前歯が前方に位置することで、出っ歯になります。
もう一つの要因は、遺伝による上下の顎のバランスの異常です。上顎の骨が過度に成長することで前歯が前方に突出し、出っ歯になることがあります。下顎の骨の成長が不足した場合も、相対的に上顎が前方に位置することになり、出っ歯に見えることもあるでしょう。
歯列のバランス
上の前歯のサイズが大きすぎる場合、出っ歯になることがあります。
歯が正常よりも大きいと、歯と歯の間に十分なスペースがなくなるため、歯が前方に出る可能性が高まります。歯自体の形状や大きさが原因なため、個人の努力で解決することは難しいです。
日常の癖
出っ歯は遺伝的な要因以外に、生活習慣や日常の癖が原因で生じることがあります。
特に、こどもの頃の癖が出っ歯を引き起こす原因となることが多いです。指しゃぶりや舌を上の前歯に当てる癖などが上の前歯を前方に押し出し、出っ歯になります。乳児期の癖が問題になることは少ないですが、幼児期や学童期まで癖が続くと歯並びへの影響が大きくなるでしょう。
口腔習慣は早い段階で改善することが重要です。4~5歳になっても指しゃぶりや舌を前に出す癖などが続いていると、歯並びが乱れる可能性が高まります。保護者の方が指導しても改善しない場合は、歯科医師に相談して専門的なアドバイスを得ましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で出っ歯は治療できる?
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、出っ歯やガタガタした歯並び、八重歯、受け口などの不正咬合を治療するための矯正方法の一つです。透明なプラスチック製のマウスピースを使用し、歯並びを徐々に修正し美しい歯列に整えます。
出っ歯の治療では、小臼歯を抜歯し、歯を大きく動かして歯列を下げる方法が一般的です。歯の移動距離が長い場合はワイヤー矯正が選択されることが多く、ワイヤー矯正とマウスピース型矯正装置(インビザライン※)を組み合わせて治療することもあります。
しかし、上顎の骨格が前に出ているような骨格に問題がある出っ歯の場合は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)だけで口元の突出感をなくすのは難しいです。骨格に問題がある出っ歯の場合は、外科手術を行って上顎を後退させる必要があります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で出っ歯の治療は行えますが、ほかの矯正法と組み合わせる場合や外科的手術が必要な場合もあるのです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で出っ歯を治療するメリット・デメリット
歯の移動量が大きい出っ歯はワイヤー矯正で治療することが多いですが、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)にもさまざまなメリットがあります。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で出っ歯を治療するメリット・デメリットをご紹介します。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で出っ歯を治療するメリット
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で出っ歯を治療するメリットは、以下のとおりです。
治療結果を予測できる
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では、治療を開始する前にコンピューターを用いたソフトウェア「クリンチェック」で治療結果のシミュレーションを行います。クリンチェックでは、治療後の歯の動きや変化を具体的に可視化することが可能です。
シミュレーションを通じて、患者さま自身が治療後の歯並びや顔つきを事前にイメージすることができます。治療のゴールが明確になり、術後に想像と違う結果になって後悔するなどのトラブルを避けることも可能です。
矯正装置が目立たない
透明で薄いマウスピースを使用するため、外見上の違和感が少なく、目立たずに歯列矯正を行うことが可能です。
従来のワイヤー矯正の場合、金属製の矯正装置が歯に直接取り付けられます。口を開けたときに矯正装置が目立つのに対し、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は装着していることがほとんどわかりません。
マウスピースを取り外せる
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)のマウスピースは、ご自身で簡単に着脱できます。
食事や歯磨きの際などに矯正装置を取り外すことが可能なため、食事が制限されることや歯磨きがしにくくなることがありません。ワイヤー矯正のように、食べ物が引っ掛かって取れなくなることや、磨き残しが生じる心配もないのです。
口内を清潔に保てる
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)のマウスピースは自由に取り外すことができるため、歯磨きや装置の清掃が簡単です。流水と歯ブラシを使ってマウスピースを丁寧に清掃できるため、食べかすや細菌が装置に付着して、口内環境を悪化させることを防げるでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)出っ歯を治療するデメリット
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で出っ歯を治療するデメリットは、以下のとおりです。
虫歯や歯周病のリスクがある
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を進めている最中に虫歯や歯周病になった場合、治療のために矯正を一時的に中断しなければなりません。虫歯や歯周病の治療が終わるまで、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を再開できないことがあるのです。
虫歯治療によって歯の形状が変わると、治療後の歯の形状に合わせて新たなマウスピースの作製が必要です。新しいマウスピースが作成され、患者さまに届くまでには時間がかかるため、治療期間がさらに延びる可能性があります。
適応症例が限られている
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正は非常に便利で効果的な治療法ですが、すべての症例に対応できるわけではありません。出っ歯の種類によっては、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)単独では治療が困難な場合もあります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を希望しても、ワイヤー矯正と併用することで治療期間を短縮できるケースも存在します。
自己管理を徹底する必要がある
マウスピースは着脱が自由にできますが、デメリットにもなり得ます。矯正治療は、装置をつける時間が長ければ長いほど効果が出ます。装着時間が短いと、治療期間が延びるでしょう。
ご自身で装着時間をしっかりと管理することが重要です。
また、マウスピースの破損や紛失にも注意が必要です。取り外しが可能なため、ティッシュに包んで誤って捨ててしまった方や、マウスピースを置いていることを忘れて上に物を置いてしまい、マウスピースが破損してしまった方もいます。
外した際は専用のケースに入れる、保管場所を決めるなど、破損・紛失に気をつけてください。
ワイヤー矯正よりも治療期間が長くなる場合がある
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、ワイヤー矯正と比較すると歯に与える圧力が弱いため矯正期間が延びやすいです。マウスピースの装着を忘れる、マウスピースを紛失するなど、マウスピースを装着していない時間が多いと、治療期間はさらに長引きます。
自己管理が苦手な方や紛失するリスクを避けたい方は、取り外しの必要がないワイヤー矯正を選択したほうがいいかもしれません。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での出っ歯の治療法
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での出っ歯の治療法は、抜歯を必要とする方法と必要としない方法で分けられます。
抜歯をする治療法
歯が大きいなどの理由で歯列をきれいに整えられない場合は、抜歯が必要になります。抜歯によってできたスペースを利用して、突き出ている歯を奥へと移動させて歯並びを整えるのです。
抜歯が必要となる場合、一般的には4番目の小臼歯(前歯から数えて4番目、最初の丸い歯)が抜かれます。前歯と奥歯の間に位置しており、この場所にスペースを作ると全体の歯の移動量が最小限に抑えられるからです。
歯の役割を「食べ物を噛み切る前歯」「食物をすり潰す奥歯」と分けると、4番目の小臼歯の役割が相対的に少ないため、抜歯対象となることが多いです。
抜歯をしない治療法
抜歯をしない治療法では、奥歯を後方へ移動させて、すき間を作ります。最も奥にある歯を後ろに動かし、生まれたスペースに隣の歯を移動させることで前歯へと空間を集めます。前歯に空間が集まったら、出っ歯を改善するのです。
しかし、歯は無限に移動させられるわけではありません。歯を動かせる範囲を超えた場合は、歯と歯の間を微細に削ることもあります。歯の側面を削る処置をIPR(ディスキング)とよびます。IPRを行うことで新たなスペースが生まれ、歯を移動させる余裕が生まれるのです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での出っ歯の治療にかかる期間
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での出っ歯の治療期間は、短い場合で約半年、長い場合で約2年とされていますが、患者さまの歯並びの状態によって大きく変動します。
治療期間を具体的に決定する大きな要素としては、奥歯の矯正が必要かどうかが挙げられます。全体的に歯並びが悪く奥歯も動かす必要がある場合は、治療時間が長くなるでしょう。奥歯は、前歯と比べて動かすのに時間がかかるためです。
一方、全体的な歯並びに大きな問題がなく、見える部分だけの矯正を目指す部分矯正の場合は、治療期間が半年程度と比較的短くなることが多いです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での出っ歯の治療にかかる費用
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は自由診療で保険適用外のため、費用は歯科医院により異なります。部分矯正の費用は約400,000~500,000円、全体矯正の場合は約700,000~1,200,000円とされています。
上記の費用相場はマウスピース型矯正装置(インビザライン※)だけの費用なので、診断料や検査料、毎月の調整料等が別途必要な場合もあるでしょう。調整料が必要な場合は、治療期間が長引くと治療費も増大します。
しかし、費用が安いという理由だけで歯科医院を選ぶと、医師の治療技術が十分でないために治療が失敗し、さらなる費用がかかるケースがあります。治療費を検討することは重要ですが、信頼できる歯科医院かどうか、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での実績があるか、さまざまなケースに対応可能かどうかも確認し、総合的に歯科医院を選びましょう。
まとめ
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で出っ歯を治療する場合、抜歯を必要するケースと必要としないケースに分けられます。すべての症例にマウスピース型矯正装置(インビザライン※)が適応されるわけではありません。
多くの移動量を必要とする出っ歯の場合は、ワイヤー矯正との併用が必要となることがあります。歯並びではなく、骨格に問題がある場合は、矯正治療だけでは改善できないため外科手術が必要になるでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は矯正装置が目立ちにくく、食事や歯磨きの際に取り外すことが可能なメリットの大きい治療法です。一方で、自己管理が重要となるなどのデメリットも存在します。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)ではクリンチェックとよばれるシミュレーションソフトを活用しますが、歯科医師の技術力にも治療結果は大きく左右されます。信頼できる歯科医院を選ぶために、事前にホームページで医師の情報を確認し、カウンセリングを受けましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での出っ歯の治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
舌癖(ぜつへき)とは?
舌癖(ぜつへき)とは、舌で上の前歯の歯の裏側や、下の前歯の歯の裏側を押している、または、歯と歯の間から舌をだしてしまう舌の癖のことをいいます。普段の日常生活の中で無意識に舌で歯を触って押してしまっていたり、舌を歯と歯の間にいれていたりしていませんか?癖なので、自分でも気づかないと思いますが、お口の中の癖は、歯の並びや滑舌など発音にも大きく影響します。
また、舌癖があると、歯列矯正治療をして歯の並びを綺麗に整えても、後戻りをしてしまい、歯の並びが崩れてしまう原因にもなります。舌癖は、しっかりとトレーニングをして治しておく必要があります。
舌癖があるかな?チェックをしてみましょう
舌癖があるかセルフチェックができます。一度チェックをしてみましょう。
- ・いつもお口がぽかんと開いている
・歯で舌をかんでいる
・常に舌で上の前歯か下の前歯の裏側をさわっている
・飲みこむときに舌に歯があたっている
・むせやすい
・口の中がよく乾いている
・無意識に舌をだしている
・食べるときにくちゃくちゃと音をたてている
・食べたものが口からこぼれる
・食べるときに舌をだして食べ物を食べる
・唇を閉じると下顎に梅干しのようなシワができる
・滑舌が悪い
・姿勢が悪い(猫背)
・口呼吸をしている
・うつぶせ寝、横向きで寝ている
・寝ているときにいびきをかいている
・頬杖をつく
どうですか?お子様やご自身はいくつ当てはまりますか?一つでも当てはまれば舌癖がある可能性があります。舌癖があると、舌と唇とお口の周りの筋肉のバランスが悪くなってしまい、顎の成長や歯の並びに影響がでます。舌癖になってしまう原因はいくつかあります。
舌癖の原因
①指しゃぶり
赤ちゃんの頃(乳児期)の指しゃぶりは問題ありませんが、その後4才~5才(幼少期)になっても指しゃぶりが続いている場合は、指しゃぶりの癖を治したほうがいいです。なぜなら、指を吸っていることで上の歯と下の歯の間に隙間ができる開咬(かいこう)になってしまったり、吸っている指にそって上の前歯が傾いてしまい前歯がでてしまう上顎前突(じょうがくぜんとつ)になるからです。
また、指を強く吸っていることで、頬っぺたが歯を中へ押し込んでいる状態になってしまい、上の歯の並びがVの字になる狭窄歯列弓(きょうさくしれつきゅう)になります。指をしゃぶる癖がなくなっても、出来てしまった隙間に舌をいれてしまう癖は残ってしまいます。
②口呼吸(こうこきゅう)
アレルギー性鼻炎・花粉症・扁桃腺肥大・アデノイド・蓄膿症などの疾患があり慢性的な鼻づまりがあるとどうしても口呼吸になってしまいます。口呼吸のままだと、舌が正しい位置のスポットに置けずに下にさがってしまいます、これを低位舌(ていいぜつ)といいます。下にさがったままだと、飲みこむときに舌を前に突き出すような癖がついてしまいます。
また、口呼吸をしているとお口がポカンと開いているので、お口の周りの筋肉も弱ってしまいます。口呼吸を治さずにいると、お口の中が乾燥しているので、唾液の量が減ってしまい虫歯や歯周病のリスクが高くなり、口臭の原因にもなります。また、お口の中だけではなく、ウイルスや細菌を直接お口で吸っていることで風邪をひきやすくなります。
③低位舌(ていいぜつ)
舌が正しい位置(スポット)についておらず、常に下の前歯の裏側に舌の先があたっている状態のことを低位舌(ていいぜつ)といいます。舌が歯にあたっているので、舌の両側面に歯の形がついてしまうことがあります。起きているときも口がよく開いている(ポカン口)かたは、舌が下にさがっている場合が多いです。低位舌の癖があると、飲みこむ(嚥下)ときに、舌で下の前歯を裏側から押してしまいます。舌の力はとても強いので、下の歯を無意識に押してしまい反対咬合(受け口)や、舌の力で歯と歯に隙間ができる空隙歯列(くうげきしれつ)になってしまうことがあります。
また、低位舌の場合多くは口呼吸になっていることが多いです。
④舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)
舌を前に押し出してしまうような癖のことを、舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)といいます。開咬や空隙歯列のような歯に隙間があると、その隙間に舌をいれて、舌の力で余計に歯を押してしまいます。また、話すときや飲み物を飲みこむとき(嚥下)にも舌をだしてしまうので、上と下の前歯を常に押していることになり、開咬になります。
⑤異常嚥下癖(いじょうえんげへき)
普段、日常的に食べ物や飲み物を飲みこむときに、舌が前にでてきてしまう癖のことを異常嚥下癖(いじょうえんげへき)といいます。正しい飲みこみかたは、舌が上の顎についていて、上と下の歯が噛んでいる状態で飲みこみます。舌の癖があるのが原因で、上と下の歯が噛みあっていない場合は、異常嚥下癖になってしまうことがあります。
⑥舌小帯(ぜつしょうたい)が短い
舌の裏側のヒモのことを、舌小帯(ぜつしょうたい)といいます。この舌小帯が短いと舌が上に上がらず、正しい位置のスポットに舌が届きません。上にあげられないので舌が下がったままになってしまい低位舌になってしまいます。舌小帯が短いと、舌をあげたときに舌がひっぱられて舌がハートの形になるのが特徴です。舌が上にあげられないので滑舌が悪くなります。とくにサ行、タ行、ラ行の発音に影響がでて舌足らずな話し方になってしまうこともあります。
今回は、舌癖についてお話をしました。舌の癖は自分では気づかないこともあると思います。ふじよし矯正歯科クリニックでは、歯列矯正治療と並行して舌癖を治すトレーニングを行っています。癖を治すのは、意識して毎日トレーニングができるよう、トレーニングの用紙はいつも見えるところに貼ってもらうようお伝えしております。歯列矯正治療と一緒に舌の癖も治して、綺麗な歯並びを保てるようにしていきましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で歯が動く仕組みとは?補助装置についても解説!
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で歯が動く仕組みには、歯根膜が大きく関係しています。歯に圧力をかけられた歯根膜が膨張・収縮することで、顎の骨の吸収・再生が行われて徐々に歯が動くのです。
今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で歯が動く仕組みや補助装置について詳しく解説します。
歯の矯正治療で歯が動く仕組み
歯は、歯茎から見えている歯冠と、歯茎に隠れている歯根から成り立ちます。歯根の周囲にある、骨と結合している薄い膜が歯根膜です。歯科矯正では、歯根膜の働きを活用して歯を動かします。
歯冠に力を加えると歯根にも伝わり、加えられた力によって引っ張られる側の歯根膜は伸び、逆に押された側の歯根膜は縮みます。さらに力を加え続けると、引っ張られて伸びた側の歯根膜は厚みを増し、押されて縮んだ側の歯根膜の厚みは減るのです。
厚みを増した歯根膜は、もとの厚さに戻ろうと働き、すき間を埋めるように新しい骨を形成します。厚みが減った側の歯根膜は、もとの大きさに戻ろうと働き、骨を溶かす細胞を活性化させます。
ワイヤー矯正やマウスピース型矯正装置(インビザライン※)など、どの矯正方法でも、歯根膜が一定の厚さを保つための働きを利用して歯が動かされます。歯根膜がもとの厚みに戻ろうとする性質を利用して、少しずつ確実に歯を正しい位置へと導くのが、矯正治療の仕組みです。
仕組みを知らないと、力を加えて無理に歯を動かしているように見えるかもしれません。
しかし、実際には人間の体が本来持つ、歯根膜が厚さを一定に保とうとする働きを利用して歯を自然に動かします。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で歯が動く仕組み
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、歯と歯茎全体を包み込むマウスピース型矯正装置を用いて歯を動かす方法です。従来のワイヤーとブラケットを使用した矯正とは異なり、目立たないことが特徴です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、スキャナーで歯形や歯並びの情報を取得することから始まります。得られたデータを分析し、一人ひとりの口腔状態に合わせたカスタムメイドのマウスピースが製作されるのです。
アライナーともよばれるマウスピースは、もとの歯並びと少しずらして製作されます。そのため、マウスピースを装着するとずれによって歯に圧力がかかって歯が動くのが、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の仕組みです。
一般的に、マウスピースは約1~2週間ごとに新しいものに交換します。1枚のマウスピースで0.25mmほど歯が動きます。
歯を動かすために使われる補助装置
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、効率的に歯を動かすために補助装置が用いられることも多いです。今回は、アタッチメントと顎間ゴム(ゴムかけ)をご紹介します。
アタッチメント
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の矯正治療では、より効果的な治療を目指して、アタッチメントとよばれる小さな樹脂製の器具が使用されることがあります。
アタッチメントは、歯の色に近い突起状の器具で、歯並びの微調整や治療をスピーディに進める目的で使用される場合が多いです。治療完了後には跡を残さず取り外されるため、心配する必要はありません。
アタッチメントの使用は、マウスピース型矯正装置が歯に固定されることを助け、歯の向きや角度の微調整を可能にします。適切な位置にアタッチメントを設置することで、矯正治療がより効果的に行えるのです。
ただし、全ての症例でアタッチメントが使用されるわけではありません。必要に応じて歯科医師が使用を指示します。
アタッチメントの形状や大きさによって作用する力は変わります。例えば、縦に生えている歯に対してねじれた力を加える、前に出ている歯を歯茎から90度の向きに動かすような力を加えることなども可能です。
治療目標に応じて、最適な形状のアタッチメントが取り付けられるでしょう。
顎間ゴム(ゴムかけ)
顎間ゴム(ゴムかけ)は、歯科矯正治療において上の歯と下の歯の噛み合わせを改善するために使用されます。フック状の装置に医療用ゴムを引っ掛けるものです。
見た目の歯並びが改善されたあとに行われることが多く、機能面の改善を目的に最終仕上げとして行われます。
歯科矯正では、見た目の改善だけでなく、噛み合わせの状態も重要視されます。歯並びが美しくなっても、食事中に顎に痛みを感じると食事が苦痛になるでしょう。このようなケースにおいても、顎間ゴムは重要な役割を果たすのです。目安ですが、1日20時間ほど装着します。
ゴムの種類と用途を表にまとめました。
<顎間ゴムの種類と用途>
ゴムの種類 | 用途 |
---|---|
Ⅱ級ゴム | ・主に上顎前突(出っ歯)の症例に使用する ・上顎の犬歯と下顎の第一大臼歯にゴムをかけ、上顎が後方へ、下顎は前方へ引っ張る |
Ⅲ級ゴム | ・主に反対咬合(受け口)の症例に使用する ・下顎の犬歯と上顎の第一大臼歯にゴムをかけ、上顎が前方へ、下顎が後方へ引っ張る |
クロスゴム | ・クロスバイトやシザーズバイト(歯列が左右にずれている)に使用する ・上顎と下顎の同じ歯の頬側、舌側または口蓋側にゴムをかける |
垂直ゴム | ・上顎と下顎の歯が接触していない、開咬に使用する ・上顎と下顎の同じ歯の頬側にゴムをかけ、上下の歯を互いに垂直に引っ張る |
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の効果はいつ頃から実感できる?
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療の効果を感じるまでの期間は、個々の状況や治療計画によって異なります。
初期の変化
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では1枚のマウスピースで0.25mmほどしか動かせないため、治療を開始してすぐには効果を実感できません。通常、治療開始から3~4か月程度で効果を実感できるでしょう。
中期の変化
数か月〜1年程度の途中経過時期には、歯の移動や整列が進み、より明らかな変化が感じられるでしょう。アライナーを定期的に交換することで、歯列は理想の位置へと徐々に近づきます。数か月〜1年程度経つと、歯の位置や噛み合わせの改善が明確に感じられる方が多いです。
最終的な変化
最終的な治療結果は、治療開始から1~2年後に実感できます。部分矯正や軽度の症例の場合は、早くて半年ほどです。
まとめ
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で歯が動く仕組みは、歯根と骨の間にある歯根膜が関係しています。マウスピースで歯冠に力を加えることで、片側の歯根膜は引っ張られて厚みが増します。
一方、押された側の歯根膜は縮んで厚みが減るので、厚みを補うために骨が形成され、引っ張られた側の歯根膜の骨は吸収されていくのです。
骨の吸収と再生のサイクルを利用して歯を動かすのが、矯正治療の仕組みです。早く動かそうと過度に力を加えると、歯根に炎症が起きて歯根吸収が起きます。歯根吸収が起きると、痛みを感じる場合や、歯がグラグラと動く場合があるでしょう。
矯正治療では、適度な力を加えること、骨の吸収と再生のサイクルに合わせて歯を移動させることが非常に重要です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では、歯を効率的に動かすためにアタッチメントや顎間ゴム(ゴムかけ)などの補助装置を使用することがあります。正しく使用することで、より早くよりきれいな歯並びを手に入れられるでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では、1つのマウスピースで0.25mmほどしか歯が移動しません。矯正の効果を実感するまでに3~4か月ほどかかりますが、治療中の問題や後戻りのリスクを下げるために根気強く続けましょう。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)について疑問や不安がある場合は、事前に歯科医師に相談してください。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)ができない症例とおすすめできない人とは?
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では、治療が難しい症例があります。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では治療できない場合でも、ほかの治療法できれいな歯並びを目指せるため、矯正治療自体を諦める必要はありません。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)に必要な自己管理についての知識を身につけ、ご自身の生活スタイルと照らし合わせながら治療を受けるかどうか検討しましょう。
今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)ができない症例や、かわりの治療法について解説します。ご自身に合った無理のない治療法で、歯並びを整えましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)ができない症例とは
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)ができない症例は、以下の4つです。
・顔面骨格の問題が重度な症例
・歯周病が進行している症例
・複数本の抜歯が必要な症例
・インプラント治療の経験がある症例
ひとつずつ解説します。
顔面骨格の問題がが重度な症例
顔面骨格の問題が重度な場合、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)だけでなくワイヤー矯正でも治療が難しいです。多くは外科手術を併用した矯正治療が必要になります。ただし顎口腔機能診断施設である歯科医院であれば、矯正治療も手術も保険適用になりますが、マウスピース型矯正装置をもちいる場合は保険適用になりません。
歯周病が進行している症例
歯周病が重度の場合、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)だけではなく矯正治療自体が困難です。歯周病の炎症が顎の骨に広がると、歯を支える顎の骨が溶かされます。骨が溶けた状態では、歯列矯正の強い力に歯が耐えられず抜けてしまうため、矯正治療が難しいのです。
また、治療完了後は歯を正しい位置に定着させるため、インプラント、ブリッジ、入れ歯などの治療で歯を互いに固定する必要があります。
矯正治療を検討している方は、毎日の歯磨きで歯周病を予防しましょう。すでに歯周病の症状がある方は、矯正治療を希望していることを歯科医師に伝え、歯周病治療を開始してください。
複数本の抜歯が必要な症例
複数本の抜歯が必要な場合、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で治療できない可能性があります。歯を複数本抜歯すると歯の移動距離が長くなるため、歯並びの微調整を得意とするマウスピース型矯正装置(インビザライン※)は不向きとなるのです。
抜歯が必要な症例として、重度の出っ歯や叢生などが挙げられます。これらの症例では、抜歯であいた空間にほかの歯を移動させるために、長い期間が必要です。
そのため、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)とワイヤー矯正を併用する、あるいはマウスピース型矯正装置(インビザライン※)以外を選択するなどで治療する場合が多いでしょう。
インプラント治療の経験がある症例
インプラント治療の経験がある方は、矯正治療が難しいとされています。
インプラントは、顎の骨に埋め込んだネジを人工歯の土台とするため、矯正力を加えても動かすことができません。歯列矯正の対象はあくまでも天然の歯なので、インプラント部分は対象外なのです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)をおすすめできない人
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が向いていない人の特徴は、以下の3つです。
・決められた装着時間を守れない
・マウスピースの定期的な交換ができない
・適切な衛生管理ができない
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は自己管理が必要な治療なので、生活スタイルや性格によっては向いていない場合があります。以下を参考に、ご自身の生活に取り入れられそうか検討してください。
決められた装着時間を守れない
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では、マウスピースを1日20~22時間装着する必要があります。決められた時間を守る前提で治療計画が立てられているため、装着時間が短くなると計画どおりに歯が動きません。
食事や歯磨きの時間などは除いて20~22時間の装着が必要なため、食後は必ずマウスピースを装着する習慣をつけましょう。装着時間が守れない人、まとまった食事時間がとれずマウスピースを頻繁に取り外す人は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は向いていないといえます。
マウスピースの定期的な交換ができない
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では、定期的に新しいマウスピースに交換しなければいけません。具体的には、1~2週間ごとにマウスピースを交換し、歯を徐々に移動させ歯並びを整えます。
ご自身で交換時期を意識して新しいマウスピースへの取り替えを行い、歯科医師に歯の動きをチェックしてもらうために定期的に受診する必要があります。
マウスピースの交換や定期検診を怠ると歯の移動が遅れるため、治療が停滞するでしょう。交換時期の管理が難しい人は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)よりも、歯科医師の管理のもとで進めるワイヤー矯正のほうが向いているかもしれません。
適切な衛生管理ができない
マウスピースは、取り外すたびに洗浄する必要があります。洗浄が不十分だと、マウスピースが不衛生になり、虫歯や歯周病のリスクが高まるでしょう。
虫歯や歯周病になると、矯正治療を中断して虫歯や歯周病治療を優先する場合が多いです。治療計画から大幅に遅れるため、食事や歯磨きのときにマウスピースを外したら必ずブラッシングを行い洗浄しましょう。
また、定期的にマウスピース専用の洗浄剤を用いて清潔に保つ必要があります。毎日の適切な衛生管理に苦手意識のある人は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は向いていないといえるでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)にかわる治療法
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が適応外でもかわりの方法で治療が可能なため、矯正治療を諦める必要はありません。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)のかわりの方法は、以下の2つです。
・ワイヤー矯正
・ワイヤー矯正とマウスピース型矯正装置(インビザライン※)の併用
それぞれ解説します。
ワイヤー矯正
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)のかわりの治療方法として第一の選択となるのが、ワイヤー矯正です。
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットという装置を取り付け、ブラケットに通したワイヤーの力を利用して歯並びを整える治療方法です。ワイヤー矯正は歯を大きく動かせることが特徴なため、抜歯が必要な重度の叢生や重度の出っ歯などの治療も可能です。
しかし、ワイヤー矯正は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)のように自力で装置の取り外しができません。ワイヤー矯正の見た目が気になる方は、クリアブラケットを選択するとよいでしょう。ワイヤーやブラケットが透明や白色になっている、目立たない矯正装置が利用できる場合があります。
ワイヤー矯正は多くの症例で治療が可能なため、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)ができないといわれた人も治療が可能なことがあります。
ワイヤー矯正のなかに、舌側矯正という方法があります。
舌側矯正は、歯の裏側にブラケットとワイヤーを取り付ける方法です。矯正装置が正面から見えないため、審美性が気になる方も治療に取り組みやすいことがメリットです。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は目立たないことから選択する人が多いので、かわりの治療として選ばれています。
舌側矯正もほとんどの症例の治療が可能ですが、通常のワイヤー矯正よりも装置の作製が難しい傾向があります。そのため、舌側矯正に対応していない歯科医院もあります。通常のワイヤー矯正よりも治療費が高額になることも知っておきましょう。また歯の裏側に装置をつけるため、舌が傷ついて痛い、話しづらくて仕事に支障をきたすという理由で、治療途中でマウスピース型矯正装置に変更される人もいます。
ワイヤー矯正とマウスピース型矯正装置(インビザライン※)の併用
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)だけでの治療が難しくても、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)とワイヤー矯正を併用することで治療できる場合があります。歯の移動距離が長い部分はワイヤー矯正で治療し、ある程度歯並びが整ってきたらマウスピース型矯正装置(インビザライン※)で微調整する方法です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、噛み合わせの調整や細かい歯の動きの調整を得意とするため、矯正初期はワイヤー矯正を行い、矯正中期〜後期にかけて切り替える場合が多いです。ワイヤー矯正とマウスピース型矯正装置(インビザライン※)を併用することで、見た目の違和感を軽減できるでしょう。
まとめ
今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)ができない症例とおすすめできない人について解説しました。
顔面骨格の問題が重度の症例や歯周病が進行している症例では、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の適応外となる可能性が高いです。また、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は自己管理が必要なため、装着時間を守れない人やマウスピースの定期的な交換ができない人、衛生管理が苦手な人には向いていないでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)にかわる治療法としては、ワイヤー矯正が挙げられます。審美性の高い舌側矯正、ワイヤー矯正とマウスピース型矯正装置(インビザライン※)の併用でも治療が可能な場合が多いです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)ができない場合は、かわりの矯正方法を利用してきれいな歯並びを目指しましょう。ストレスなく治療を進めるには、生活スタイルやご自身の性格を考慮して、自己管理できそうか検討する必要があります。
歯科矯正を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
『歯ならび』と『スポーツ』の関係とは
スポーツをしている大人の方・部活動をしている学生さん・運動系の習いごとに通っているお子さまで、歯ならびや嚙み合わせに悩みを抱えつつも、スポーツが出来なくなることを恐れて歯列矯正を諦めていませんか。スポーツをしている方でも可能な歯列矯正の方法があるので、歯ならびや嚙み合わせで悩んでいる方は是非参考にしてみてください。
矯正治療中にスポーツはできるのか
スポーツをしている人が歯列矯正をするのは、基本的に問題はございません。
治療中に装着している装置が壊れてしまったり、患者様側が治療を一時中断しなければならないことが起きない限りは、治療期間も3年で終わるケースがほとんどです。
スポーツを頑張っている方ほど、歯ならびや嚙み合わせを整えるとたくさんのメリットもあります。スポーツの種目によって噛む力が発揮される場面は異なります。
例えば、陸上などのスピード系の競技ではスターティングの際にしっかり噛みしめることにより体のブレを防げます。
他にもウエイトリフティング(重量挙げ)などのパワー系競技では力を込めて、しっかり噛みしめることで、最大パフォーマンスを発揮することができます。
強い動作を行う時に、しっかりと噛みしめることで、より高い瞬発力を発揮することが期待できます。
スポーツをしていても可能な矯正治療の種類
① ワイヤー矯正(表側矯正)
歯の表面にブラケット(一般的な歯につける装置)を装着し、ワイヤーを通す方法です。
ワイヤー矯正の特徴は、さまざまな症状に対応することができます。
【ワイヤー矯正(表側矯正)のメリット】
装置が歯の表面についているため、舌にあたらず大きな声を出しても影響がありません。
【ワイヤー矯正(表側矯正)のデメリット】
装置が目立ってしまうことです。
ですが、当院では小臼歯まで白いプラスチックのブラケットを追加費用なしで使用しているため、金属のブラケットよりかなり目立ちにくい見た目になっています。
さらに、追加費用がかかりますが白いワイヤーも準備しているので、見た目が気になる方も安心して治療を受けていただくことが可能です。
② ワイヤー矯正(裏側矯正)
歯の裏側にブラケットを装着し、ワイヤーを通す方法です。
【ワイヤー矯正(裏側矯正)のメリット】
外から見て目立ちにくいですが、スポーツをする方にはデメリットのほうが多くなります。
【ワイヤー矯正(裏側矯正)のデメリット】
歯の裏側に装置をつけるのはベテランの歯科医師でも難しいため、競技中の転倒などによって外れてしまった場合、修復するのに時間がかかります。
外れることが多ければ、治療が長引いてしまう可能性もあります。
他にも、装置が舌にあたることが多いので声を出すときに気になってしまうかもしれません。
装置がお口の粘膜に触れてしまう回数が増えると口内炎などのトラブルにつながる可能性も高まります。
③ マウスピース矯正
マウスピース型の矯正装置を使って歯を動かしていく方法です。
【マウスピース矯正のメリット】
裏側矯正と同じく目立ちにくいことです。
【マウスピース矯正のデメリット】
マウスピースの1日の装着時間が決められているため、マウスピースを外している時間が長いと治療がなかなか進みません。
また、マウスピースをつけたままスポーツドリンクや清涼飲料水を飲んでしまうと虫歯になってしまいます。
マウスピースを矯正は、患者様の自己管理が重要になります。
スポーツ選手・運動部が歯列矯正をするメリットとデメリット
スポーツ選手や運動部が歯列矯正を行うことにより、さまざまなメリットを得ることができます。
また、見た目の美しさだけでなくパフォーマンスアップにつながる可能性も高まります。スポーツの活動と平行して進めるのは大変なイメージがしますが、自分の通いやすい場所や信頼のできる歯科医師が見つかれば、ストレスなく快適に矯正治療を進めやすくなるでしょう。
【メリット】
① 歯ならびや噛み合わせが良いと身体能力や瞬発力にも良い影響があるといわれています。
また、歯ならびをよくすると噛み合わせが良くなるため、左右のバランスが整う効果も期待することができます。
②噛み合わせがよくなると噛む力が強くなるため、食べ物の咀嚼もしやすくなります。なので、食事の消化が良くなり、効率よく栄養補給ができるようになることが期待できます。
【デメリット】
① スポーツをしている時に矯正装置が外れてしまう可能性があることです。
スポーツの種類によっては、接触や転倒で矯正装置が外れていがんでしまい、お口の中が傷付いてしまうリスクがあります。
お口の中が痛かったり違和感がある状態だとスポーツに集中できず、ストレスに感じてしまうかもしれません。
②水分補給の時に、スポーツドリンクや清涼飲料水を飲むと虫歯のリスクが高まります。とくに、マウスピースを装着しているままスポーツドリンクなどの糖類が含まれている飲み物を摂取すると、糖を歯にパック(お顔などに貼るパックのことです)していることになるので非常に危険です。
なので、歯列矯正治療中の方には水分補給はお水かお茶をおすすめしております。もし、スポーツドリンクや清涼飲料水を飲む場合は、飲んだ後にお水を飲んだり歯磨きやうがいをしてお口の環境を整えましょう。
歯ならびと噛み合わせのスポーツの関係
① 筋肉に影響する
スポーツ中に力を入れる時、顎が正しい位置にないと最大限の力が発揮できないとされています。顎を正しい位置にもっていくためには、歯列矯正をして歯ならびや噛み合わせを正しくすることが重要となります。
噛むことで大脳にある咀嚼運動野を活性化し、全身の筋力アップにつながるということが近年分かってきました。
②全身のバランスが崩れてしまう
歯ならびや噛み合わせが悪いと頭や顎の位置が正しくなくなってしまいます。
そうなると頭が痛くなったり、顎が痛くなったり、肩や首などの身体の筋肉にも影響を及ぼすリスクがあります。
③口呼吸を日常で行っていると酸素欠乏症になりやすい
歯が出ていて(出っ歯)お口が閉じづらい、鼻がつまって鼻呼吸がしづらいなどによって鼻で呼吸することが難しい方は、口で呼吸することが癖になってしまっています。
スポーツをしているときに口で呼吸していると『酸素欠乏症』になるリスクが高くなってしまいます。
なので、歯列矯正で歯並びの改善や耳鼻咽喉科で鼻で呼吸ができるように改善することをおすすめします。
他には、普段お口がポカンと開いたままになっている方もお口で呼吸するくせがついてしまっているかもしれません。
そのような場合は、鼻で呼吸するよう意識してみてください。
④ケガをしてしまったり痛めたりするリスクが高くなる
歯ならびや噛み合わせが悪いままの状態でスポーツをするということは、
身体のバランスが歪んだり、正しくない状態でスポーツをしていることになります。
⑤むし歯や歯周病にかかりやすくなる
歯ならびが悪いと歯磨きが行いづらいので、食べかすが溜まりプラークや歯石ができやすくなってしまいます。
そうなると、むし歯や歯周病にかかるリスクが高くなってしまいます。
歯の痛みにより集中力が欠けてしまったり、食いしばったときに歯が欠けたり割れてしまう原因にもなります。
まとめ
「歯ならび」と「噛み合わせ」が「スポーツ」と関係していることが分かっていただけましたか?
スポーツをしていても問題なく歯列矯正を行うことができます。
歯ならびや嚙み合わせを改善することで、パフォーマンスの向上につながります。
歯列矯正に興味のある方、気になっている方はぜひ一度相談してみることをおすすめします。
不正咬合とは?
今回は、学校歯科健診で噛み合わせにチェックがはいった場合の不正咬合とは何かについてお話ししたいと思います。
前にもお話したように、学校歯科健診での歯列・咬合の判定は、学校歯科医会による判定基準により
・異常なし=0
・定期的な観察が必要=1
・専門医(歯科医)による診断が必要=2
上記の3つに分けられています。
今回は、咬合判定で「2」だった場合の基準について説明していきます。
咬合判定「2」の判断基準
・下顎前突 前歯部2歯以上の逆被蓋
・上顎前突 オーバージェット7~8mm以上(デンタルミラーの直径の半分以上)
・開 咬 上下顎前歯切縁間の空隙が6mm以上(通常のデンタルミラーのホルダーの太さ以上)ただし、萌出が歯冠長の1/3以下のものは除外
・叢 生 隣接歯が互いの歯冠幅径の1/4以上重なり合っているもの
・正中離開 上顎中切歯間の空隙が6mm以上(通常のデンタルミラーのホルダーの太さ以上)
・その他 上記以外の状態で特に注意すべき咬合並びに特記事項
(例えば、過蓋咬合、交叉咬合、鋏状咬合、逆被蓋(たとえ1歯でも咬合性外傷のあるもの)、軟組織の異常、過剰歯、限局した著しい咬耗など)
正常咬合(正常な歯並び)と、不正咬合の違いと種類
正しい歯並び(歯列)や噛み合わせを正常咬合といいます。問題がある歯並びや噛み合わせは不正咬合といいます。
①正常咬合(せいじょうこうごう)
正常咬合とは、
1、真正面からみて、上の前歯と下の前歯の真ん中(正中)がそろっている。
2、奥の歯は、横からみたときに山と谷がちゃんと噛み合っている。
3、上の前歯が、下の前歯を2~3ミリおおって前にでている。
4、上下の歯列(歯並び)が、きれいなアーチ状になっている。
上記以外の歯列(歯並び)は、不正咬合といいます。
不正咬合の種類
②反対咬合(はんたいこうごう)(下顎前突も含む)
反対咬合とは、噛んだときに上の歯より下の歯が前にでている歯並びのことをいいます。
つまり、正しい噛み合わせの逆になっているということです。
一般的には、「受け口」とも呼ばれています。
③上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上顎前突とは、上の前歯や歯ぐきが前に飛び出ている歯並びのことをいいます。
前歯(上顎)全体が出ている場合と、前歯1~2本が突出している場合がありますがどちらも上顎前突になります。
一般的には、「出っ歯」と呼ばれています。
奥歯で噛んでも、上の前歯が出ていることで唇が閉じれずに少し口が開いた状態になります。意識して閉じれば下顎(唇の下)に梅干しのようなシワができるのも特徴的な症状です。
④叢生(そうせい)
叢生とは、歯が前後にデコボコと並んでいる状態や、ガタガタになっている歯並びのことをいいます。
乱杭歯(乱ぐい歯)とも言われます。歯列がデコボコになっているので、歯磨きをしても歯ブラシの先がちゃんと届かずに、虫歯や歯周病になりやすくなります。
八重歯もこの1つで叢生になります。
⑤開咬(かいこう)
開咬とは、奥の歯をかんでも、上と下の前歯が噛み合わずに隙間がある歯並びのことをいいます。
オープンバイトともいわれます。
隙間から舌を出してしまう癖(舌癖)があるのも特徴的な例です。
また奥の歯を噛んでも上下の前歯の間が開いているため、食べ物が前歯で噛めずに奥歯に負担がかかります。
⑥過蓋咬合(かがいこうごう)
過蓋咬合とは、上の前歯の噛み合わせが深くて下の前歯がほとんど見えない状態の歯並びのことをいいます。
ディープバイトともいわれます。
深く噛んでいることで、前歯で食べ物が噛みきれなかったり、上の前歯の内側の歯ぐきに下の歯の前歯があってしまっていることがあります。
⑦交叉咬合(こうさこうごう)
交叉咬合とは、奥歯の噛み合わせが(左右どちらかに)ずれている。または、前歯の噛み合わせが何本か逆噛みになっていることをいいます。噛み合わせが横にずれているので正中(せいちゅう)があっていないことが多いです。
⑧正中離開(せいちゅうりかい)
正中離開とは、上の前歯の真ん中に隙間があって、文字のとおり正中(せいちゅう)が離れてしまっていることをいいます。
上の前歯の正中離開は、一番目立つ部分なので気になる方も多いです。
また、上唇小帯(じょうしんしょうたい)の影響で、隙間ができている場合もあります。
⑨空隙歯列(くうげきしれつ)
空隙歯列とは、全体の歯(上下)の歯と歯の合間にすきまがあることをいいます。
一般的には、すきっ歯と呼ばれています。
上の前歯にすきまがあるのは、正中離開。
歯全体にすきまがあるのを、空隙歯列といいます。
正中離開と同様に、歯にすきまがあるので食べ物がはさまりやすくなり虫歯や歯周病になりやすいです。また、すきまから空気が漏れてしまうので発音(サ行やタ行など)が言いづらい舌足らずな喋り方になることがあります。
⑩鋏状咬合(はさみじょうこうごう)
鋏状咬合とは、上と下の奥歯が噛み合っていない(すれ違っている)状態のことをいいます。
シザースバイトともいわれています。
鋏状咬合の場合、歯が外側や内側に大きく倒れていることが多く、頬っぺたを噛んでしまって口内炎になる方もいます。また、歯が倒れていることで歯磨きがしづらく虫歯や歯周病に注意が必要です。
まとめ
不正咬合には、様々な種類があります。
不正咬合を治療することで、正常な歯並びになり虫歯や歯周病を予防して健康な歯を将来多く残しておくことが必要だとおもいます。
学校での歯科健診や、かかりつけの歯科医で不正咬合といわれたら、矯正専門の医師がいる当院へ一度ご相談ください。
どちらがおすすめ?マウスピース型矯正装置(インビザライン※)とワイヤー矯正を徹底比較!
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
矯正治療を検討する際、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)とワイヤー矯正のどちらがよいか悩む方も多いでしょう。矯正治療を選ぶ際はメリットだけでなく、デメリットや費用、治療期間など、さまざまなポイントを比較して検討することが重要です。
今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)とワイヤー矯正をポイントごとに比較して解説します。それぞれの治療法がどんな人にあっているかもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
マウスピース型矯正装置、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)とは?
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)とは、マウスピースを使って歯並びを整える矯正治療です。1日20〜22時間マウスピースを装着し、1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換して治療を進めます。
透明なマウスピースを使用するため、矯正治療中であることを他人に気づかれることは少ないでしょう。好きなタイミングで取り外しができるため、食事や歯磨きの際も負担なく過ごせます。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)のマウスピースは、1枚で最大0.25mmしか歯を動かせません。マウスピースを何枚も交換して徐々に歯を動かす矯正治療なので、違和感や痛みが出にくいこともメリットのです。
ただし、患者様自身でマウスピースを管理しなければ、うまく治療が進みません。マウスピースの装着時間が20時間よりも短かったり適切な時期にマウスピースを交換していなかったりすると、理想的な歯並びにならない可能性があるのです。
また、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、歯並びの乱れが比較的軽度な場合に適した矯正治療のため、歯並びの乱れが重度なケースや抜歯が複数本必要なケースなどには対応できないことがあります。
ワイヤー矯正とは?
ワイヤー矯正とは、固定式の矯正装置を使って歯並びを整える矯正治療のことです。歯の表面にブラケットとよばれる装置を接着し、ブラケットにワイヤーを通して歯に力をかけ、歯並びを整えます。
ワイヤー矯正は、矯正治療の中で最も歴史のある治療法で、大学病院における専門教育も充実しており、世界中で行われている標準治療です。抜歯や外科処置が必要な難症例にも対応できるため、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)よりも幅広い方が治療を受けられることがメリットです。
歯の表面に矯正装置を固定するので歯の1本1本に力がかかりやすく、歯並び全体を大きく動かせます。効率的に矯正できるため、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)よりも治療期間が短い場合もあるでしょう。
ただし、矯正装置は取り外せないため、食事の制限や歯磨きのしづらさを感じる方が非常に多いです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)とワイヤー矯正の比較表
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)とワイヤー矯正を比較して解説します。
<マウスピース型矯正装置(インビザライン※)とワイヤー矯正の比較>
矯正方法 | マウスピース型矯正装置(インビザライン※) | ワイヤー矯正 |
---|---|---|
見た目 | 透明 | 金属 |
治療期間 | 部分矯正:2か月~1年以内 全体矯正:2~3年 |
部分矯正:3か月~1年 全体矯正:2~3年 |
費用 | 部分矯正:300,000~600,000円 全体矯正:600,000~1,100,000円 |
部分矯正:200,000~500,000円 全体矯正:600,000~1,500,000円 |
適応症例 | 対応できない場合がある | 幅広い |
食事制限 | なし | 一部あり |
歯磨き | マウスピースを外して行える | 装置が固定式なので難しくなる |
それぞれ詳しく解説します。
見た目
矯正治療中の見た目が気になる方には、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が適しているかもしれません。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では、薄く透明なマウスピースを使用します。
ワイヤー矯正の場合、歯の表面にブラケットやワイヤーを固定するため、目立ちやすいでしょう。ワイヤー矯正でも、歯の裏側に矯正装置を固定する舌側矯正を選べば目立ちにくくできるでしょう。
歯の表側に矯正装置を固定する方法でも、セラミックなどのブラケットやホワイトワイヤーを選べば、目立ちにくくできます。目立ちにくい素材や矯正方法を選ぶと、その分費用が高くなる傾向にあるので注意が必要です。
治療期間
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)もワイヤー矯正も、全体矯正にかかる期間は約2~3年と大差はありません。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、歯並びの乱れが軽度な場合に行う治療です。部分矯正や歯並びの乱れが軽度な場合、ワイヤー矯正よりも治療期間が短いかもしれません。
また、ワイヤー矯正は歯科医師による調整が必要なため、月に一度は通院しなければいけません。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は患者様自身で治療を進めるため、2か月に一度の頻度で通院するのが一般的です。
矯正治療にかかる期間は、矯正の種類だけでなくもともとの歯並びの状態に左右されます。実際にどのくらいの期間が必要になるか知りたい場合は、歯科医師に相談しましょう。
費用
矯正治療にかかる費用は、矯正方法だけでなく、部分矯正か全体矯正かによっても異なります。
ワイヤー矯正は、舌側矯正などの目立ちにくい方法を選ぶほど費用が高額になります。通常のワイヤー矯正の費用相場は600,000~1,100,000円でマウスピース型矯正装置(インビザライン※)と変わりませんが、目立ちにくい舌側矯正は1,000,000~1,500,000円ほどといわれています。
また、ワイヤー矯正でセラミックやジルコニアのブラケット、ホワイトワイヤーを選ぶと、その分追加で費用がかかるので注意が必要です。
ただし、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、使用するマウスピースの枚数によって費用が変わります。マウスピースの追加や作り直しが必要になると、予定していた費用よりも高くなる可能性があるので注意しましょう。
適応症例
ワイヤー矯正は治療実績が豊富な矯正なので、抜歯や外科処置が必要になるケースなど、難しい症例にも対応できます。マウスピース型矯正装置と比較すると、幅広い方が治療を受けられることがメリットです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、歯を水平移動させることが苦手なため、歯並びの乱れが重度なケースや歯の移動距離が長いケースには適しません。
ただし、抜歯が必要な歯並びでも、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で治療できるケースもあります。どちらの矯正方法があっているかは歯並びの状態によって異なるので、一度歯科医院で相談しましょう。
食事制限
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)のマウスピースは、自分の好きなタイミングで取り外せます。マウスピースを取り外して食事できるため、食事制限はありません。矯正治療中でありながら、ふだんどおり食事を楽しめるでしょう。
ワイヤー矯正は固定式の矯正装置なので、装置が外れる可能性がある食べ物を避けなければいけません。ガムやキャラメルなどの粘着性があるものは避けてください。また、繊維質の野菜やキノコ類、細い麺類などは、矯正装置に挟まりやすいため注意が必要です。
歯磨きのしやすさ
ワイヤー矯正は、矯正装置を取り外せないため、歯磨きがしづらく虫歯や歯周病のリスクが高くなります。特に、歯と歯の間は歯ブラシが入りにくいため、歯間ブラシやタフトブラシを使用して磨きましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、ワイヤー矯正と比較すると歯磨きしやすいといえます。ふだんどおり歯を磨けるため、虫歯や歯周病のリスクが低く、清潔な口内を保てるでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)がおすすめの人
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を選択する傾向にあるのは、以下の特徴がある方です。
・矯正治療中の見た目が気になる人
・人前で話す機会が多い人
・通院回数を少なくしたい人
・自己管理ができる人
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では透明なマウスピースを使用するため、矯正治療中であることが周囲に気づかれにくいです。自分の好きなタイミングでマウスピースを取り外せるため、見た目が気になる人に選ばれています。人前に立つ機会が多い職業や接客業に従事する人も治療を受けています。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では1日20〜22時間マウスピースを装着し、1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換することで治療を進めます。患者様ご自身がマウスピースを管理するため通院回数が少ないメリットがありますが、マウスピースの装着時間や交換時期を守れなければ理想的な歯並びになりません。
マウスピースをしっかりと自己管理できる人は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が向いているかもしれません。
ワイヤー矯正がおすすめの人
ワイヤー矯正を選択する傾向にあるのは、以下の特徴がある方です。
・歯並びの乱れが重度な人
・抜歯が必要な人
・歯科医師の判断で治療を進めてほしい人
・自己管理が苦手な人
ワイヤー矯正は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)よりも幅広い症例に対応できます。ガタガタした歯並びや出っ歯だけでなく、抜歯や外科処置が必要な難しい症例にも対応できることがメリットです。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での治療が難しい歯並びの人は、ワイヤー矯正を選択する傾向があります。
ワイヤー矯正は、治療の経過を診ながら歯科医師の判断によって歯並びを整えます。治療の過程で自己管理の必要はありますが、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)ほどではありません。自己管理の負担を軽くしたい人に選ばれています。
まとめ
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、透明なマウスピースを使用しているため、矯正治療を受けていることが目立たないことが最大のメリットです。好きなときに取り外せるため、食事や歯磨きをふだんどおり行えることもメリットでしょう。
しかし、マウスピースの管理ができないとうまく治療が進まない、治療できない歯並びがあるなどのデメリットが存在します。
ワイヤー矯正は、歯に矯正装置を固定して歯並びを整える方法です。1本1本の歯に力がかかりやすいため、重度の歯並びの乱れや抜歯が必要な症例など、幅広い方が治療を受けられます。
ただし、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)と比較すると、矯正装置が目立つなどのデメリットがあります。矯正方法を選ぶ際は、メリットやデメリット、必要な費用、治療にかかる期間などを比較して検討しましょう。
歯科矯正を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。